Apple Comupterは、ここ最近大ヒットしているiPodに全精力を傾けている。(IT MEDIA参照。)デジタルハブというコンセプトをどこかに置き忘れたのか、ハブの中心となるMac周辺でのイノベーションは止まったままだ。
しかも、アップルの日本法人がどうもおかしい。原田前社長がマクドナルドへ移ったきっかけてとも言われていたが、Apple本社の意向が強すぎて、日本法人独自のマーケティングが出来なくなってしまっているのだろう。
米国では2月に発売されたiPod Miniの発売が、日本ではまだ決まっていない。世界で第2の市場である日本がこれほどまで反故にされたら、日本法人はやりきれない思いだと思う。しかも、たとえ生産が追いつかないという理由があったとしても、技術的にキーとなる製品が日本企業のものであるにもかかわらずだ。
そして、アップルの日本法人がおかしいと決定的に思ったのが、iPodのGoodbye MDのCMだ。
これを見たとき、思わず不快感を覚えた。
米国企業が本国で放映しているCMを翻訳しただけで流すものにろくなものはないのはよくあることだ。バドワイザー(カエルのCM)、プロクターアンドギャンブル(飛行機のシャンプーCM)、コカコーラなど、名だたるグローバル企業が何度も何度も同じ過ちを繰り返してきている。統一感のあるコーポレートアイデンティを世界に伝えたいのは分かるが、世界で最も見る目の厳しい日本の消費者にはそれでは上手くいかないことくらい、何度も経験して分かっているはずだ。
「Goodbye MD」にいたっては、それに輪をかけてひどいものだ。日本法人が顧客を向かずに、アップルの本社に「Kiss Ass」して作った広告だということが簡単に見て取れるのである。「日本には、ポータブルMDユーザがたくさんいます。彼らをSwitchさせれば・・・」ってレベル。日本でMDが流行っているからという適当なマーケティング数字から、本国もGOの判断をしたのだろう。
日本法人が日本の顧客を直視せず、アメリカ法人みてどうするんだ?って感じである。
そもそも、ポータブルMDユーザだけが、iPodのターゲットユーザなのか?そもそも、自分の周りにMDユーザなんてほとんどいないし、MDとiPodなんて全く異なるものではないか?アップルは、iPodを使って音楽を聴くという、新しいマーケットを創造し、新しいライフスタイルを提案すべきなのに、なぜ今さらMDなのか・・・。発想貧相すぎ。
アップル日本法人の気持ちは分からないでもない。自分も、アメリカ本国の意向(しかも部門レベルだととんちんかんであることが多い)を気にしながら仕事をしなければならないのか、よくわからなかったことがある。どちらにしても、アップル日本法人ほとんど機能していないか、ほとんど口を出すことが出来なくなっているのだろう。