一昨年のブログ内でソニーの崩壊を書きました。ブランド価値の非常に高い会社を批判することは勇気がいることです。その後、映画会社の買収を行ないましたが、残念ながらソニーという会社の価値はほとんど変わっていません。
今日は世界でブランド価値、1位、2位を争うといわれるGoogleについて書いてみようかと思います。ネット上をGoogle(!)で検索しても、Googleを表立って批判した記事、ブログは見つかりません。どの記事も、まさに「Google マンセー」状態です。唯一、みつけたのが、NeonsWiredSymphonyさんGoogleに見るインターネットのあちら側の結末という記事でした。非常によくまとまっていると思うので、まずは読んでみてください。
唯一無二のテクノロジーの会社だとか、破壊的創造力のある会社だとか、天才が集まる会社だとかGoogleは言われています。しかし、何を収益の柱としている会社なのかを考えると、結局は圧倒的なブランドマーケティングによる集客力をベースに広告でのみ収益がなりたっている会社だということが分かります。Googleの検索技術は、上記のNeonsWiredSymphonyさんが書かれているようにもはや特別な技術ではありません。しかも、Google検索サービスそのものは、単に何か探しだすきっかけを与えてくれるもので、答えを導き出すことを保証してくれるものでは決してありません。だから、Googleはいまのところ高いブランド力を持ったメディア会社であると自分自身は思っています。
ところでここ最近、Googleはウェブ検索サービス以外にも様々なサービスを公開していますし、自らが買収した企業のサービスも公開しています。自分でもPicassa、Orkut、News、Gmail、Blogger、Desktop、Mapなどなど様々なサービスを試してみましたが、現在利用しているものはほとんどありません。事実、話題性はあるにせよ特に目新しいものではないですし、機能的に(特に日本語周りの)完成度は低いですし、サービスそのものの意味合いそのものも小粒でしかありません。それぞれの関連性も検索技術と広告による収益モデルに集約されているだけで、新たな事業の柱になるとは到底思えません。競合も多く、投資対効果、投資対スピードなんかを考えても、囲い込みを行なうにしても力不足だということは否めません。
確かに、世の中のビジネスの収益モデルはいくつかに集約されるもので、そんなに多くはありません。広告が事業の柱だと掲げるのは結構ですが、Googleが本当に創造的イノベーターだと呼ばれる企業であり続けるのであれば、広告以外の収益を狙える分野に必ず進出するはずです。企業は、次の収益モデルへの進出を狙うための準備期間に、ブランド力、成長力があるうちに新しいものどんどん世の中に出し続ける必要があります。だからといって、単にGoogleが始めただけのサービスを、ブランドに盲目的にヨイショするのは、本質的なところを見誤っているとしか思えてならないのです。世の中に「Googleマンセー」記事が増えれば増えるほど、もう片方のバランスを取った記事を読みたくなって仕方がありません。

  1. kio says:

    村八分ありましたね。こういうブログを書くとどうなんでしょうね。どちらにしてもGoogleがNetscapeのような運命をたどるのか、MSのようになるのか、良く分からないですね。

  2. kio says:

    今月のこれまでの検索サイトからのアクセス数です。
    – Yahoo 1668 1762
    – MSN 357 357
    – Google 100 100
    昨年の10月頃と比べると圧倒的にGoogleからのアクセスが少なくなっています。
    – Yahoo 4264 4372
    – Google 2264 3218
    – MSN 921 921
    村八分だ。