そもそもまともな戦略を描くことが出来る人なんてほとんど存在しない。だけど、優秀な戦略コンサルが綺麗でもっともらしい戦略を立てたとしても、それを実行して成し遂げるところまで見届けるのはもっとむつかしい。
リスクを取らなければ、相応のリターンなんてものは存在しないはず。だけど、複数の企業が共同事業を実施する(少し前の流行の言葉を使うとジョイントベンチャー)場合には、両者のリスクヘッジにより注意が払われるため、ガップリよつで組んだケースでは口八丁なアイデアとは裏腹になかなか事が前に進まない。
このようなケースで、壁を超えるひとつの手段が契約書。
ビジネスの世界で複数者間での合意事項を取りまとめる契約書を基本合意書(Formation Agreement) (意向書(Letter of Intent (LOI))や、覚書(Memorandum of Understanding (MOU))などの用語が使われるケースもある)と言いますが、契約書の文面なんて弁護士や人任せでいいと思っていると足をすくわれる。
共同事業においては、基本合意書の細部にこそ戦略が宿ると考えた方がいい。合意事項の文章化は、より明確で具体的に。弁護士が陥り易い、言葉遊びは排除。実行段階での拠り所になる合意事項のみを記載。
竹中平蔵の「戦略は細部に宿る」という言葉は、この事を当に言い得て妙。