完全試合達成目前の山井の交代は賛否両論あるみたいだけど、自分は正解だったと思う。
理由は、以下の3点。
まずは、自分達の野球を貫いたということ。昨年の日本シリーズの敗北を受けて、今年は「勝つ野球」を掲げて中日ドラゴンズは戦ってきた。そのため、落合は勝つために必要な選手個人の能力と精神力を練習と試合で鍛えあげてきた。この原則にのっとった練習や試合についてこれた選手をシーズン、そしてシリーズでも使ってきた。日本シリーズで勝つことを最優先してチーム作りをしてきたのだから、その原則は最後に変更するわけにはいかなかった。
先発ピッチャーには出来るだけ長いイニングを投げることを望む落合監督は、シーズン中であれば、間違いなく山井を続投させていただろう。ただし、今回は日本シリーズである。これが2つ目の理由。昨年の日本シリーズ第2戦の金子の打席の時に山本昌を交代させなかったことが、シリーズ敗北の転換点になってしまったように、短期決戦では先手先手が勝利に結びつく可能性が高い。今年のMLBのポストシーズンを見てても同じ事が言えた。
岩瀬という絶対的な抑えがいる訳だから、絶対的なエースでなければ交代は必然だったはず。一方で、山井は、ドラゴンズの中では五番目の先発ピッチャー。これが3つ目の理由。ボストンレッドソックスで、もし昨日と同じような状況で松坂が9回を迎えていたしても、多分パペルボンに交代させたいたはず。一方で、例えば、中田が同じような状況だったら投げさせていたと思う。
今年のクライマックスシリーズを勝ち抜いて日本一になった勝因は、スカウンティングと谷繁に尽きる。短期決戦は捕手が肝というのは、今年も見事に当てはまったシリーズだった。