今更感はありますが、出張の行き帰りの交通機関の中で梅田さんの「ウェブ時代をゆく」を読んでみました。

「いかに働き、いかに学ぶか」の副題にあるように、前著「ウェブ進化論」で描いた将来像を見越して、これからどう生きていくかの梅田さんなりのビジョンを語った内容。情報や知が価値を生む時代、学習の高速道路を一気に駆け抜けることが出来る環境があるのだから、好きを貫き通せば、組織に頼らず、けものみちを歩む事も出来るよ、と大志を抱く若者に大きな勇気を与えるとても内容は心地よいです。
もし、5年前にこの本を手にとっていたら自らの拠り所にした可能性は十分あったと思わずにいられません。ただ、個人がどう生きていくべきかのビジョンは示されていても、基点が所詮「個人」でしかないのは、読み手によってはナイーブさを感じるかもしれないとも思いました。もし、自らが生きるだけでなく、周りにも影響を与え、なおかつ社会に対しても十分な貢献・還元(例えば、株式会社の存在意義のひとつに雇用などを含めた社会貢献があるように)をすべきと「社会」を基点とした志を持っている人には、「ウェブ時代をゆく」は物足りなさを感じるかもしれません。「ウェブ進化論」では、後で振り返ると何かのターニングポイントになるかもしれないと感じましたが、「ウェブ時代をゆく」は、次の志を描く続編に期待したいと感じました。


同じく飛行機の中で暇つぶしで(対比として?)読んだ「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」は、申し訳ないけど読む価値は残念ながらありませんでした。