今年は日経平均が7700円とバブル後の最安値を記録した。そのきっかけとなったのがソニーショックと呼ばれるソニーの下方修正である。
皮肉なことにソニーショックをきっかけに灰汁抜きをした日経平均は上昇し、1万円代前後をつけて年末を迎えることが出来そうだ。しかし、比較チャートを見てもらえば分かるように、ソニーはぼろぼろである。
ソニーも何もしていない訳ではない。2006年度の営業利益率10%を目標に、リストラを実行したり、年末商戦に向けPSXを売ることを決定したりと・・・。しかし、なぜ、這い上がれないのか・・・。
元々、ソニーは、アイデア、デザイン、ライフスタイルと先端技術の融合でブランド価値を高めて会社である。しかし、最近は、アイデア先行で、その他の要素で実行力が伴っていない。特に、技術とデザインとライフスタイルの融合が全く出来ていないのが現状である。
PSXにしろ、結局は価格競争に売って出たわけだし、クオリアは手作り感覚でハイクオリティを目指したにも関わらず初期不良が起きる始末。有機ELやPDPなどのディスプレイ分野では、自社技術を捨て他社と組むことを世の中全ての人から知られたため、ソニーを買うメリットがどこにあるのか分からないと言われる始末。Super Audio CDも、売れているように思われているが、元々の音楽が優れているだけで、稼げる安っぽいJ-POPには必要のないものである。VaioやClieも、結局、中身はアメリカ製でソニーらしさが伴っていないと皆にそっぽを向かれる始末。
出井社長は、プレゼンテーション力をベースに相手に有無を言わさずにここまでCEOを続けられた。執行役員制度など、米国スタイルの経営方式を取り入れるなど、マスコミをにぎわすだけのパフォーマンスは十分行なってきた。しかし、1998年を境に900億強あった営業利益は下がる一方である。
出井氏の目指した「ネットワーク戦略」は、今の日本で流行のユビキタスやデジタル家電の精神に引き継がれているが、ソニー事態の戦略の軸足はどこにあるのかよく分からない。本当にPSXだけで良いのだろうか?
コストカットの分野でも、成果主義制度の導入、工場の従業員のリストラと、あったりまえのことしか出来ていないのが現状である。
口がうまくなければ、出井氏はとっくの昔に辞めて然るべきだったのであろう。実績が全くないのだから・・・。
残念ながら、PSXに依存し続けるとしたら、ソニー崩壊を止める特効薬は今のところ見つかっていないと断言できるだろう。

  1. I will work it out says:

    ソニーの復活は当分ない

    主力株が株価をどんどんあげている一方で先日再建策を発表したソニーはまったく泣かず飛ばず。日経平均とソニーとの比較チャートを見てもそれはよくわかります。 今週の東洋経済を読んでいて、こりゃダメだと思った発言がいくつかあるのでここに引用しておこうと思います…