禁輸長期化なら牛丼中止 吉野家
牛海綿状脳症(BSE)発生による米国産牛肉の輸入禁止措置を受け、牛丼チェーン最大手の吉野家ディー・アンド・シーは30日、深夜閉店店舗の拡大や、カレー丼など牛肉を使わないメニュー追加を柱とする営業見直し策を発表した。

多少予想していたとはいえ、かなりショックなニュースです。米国から帰国後、最も頻繁に利用した外食屋は実は吉野家です。以前は、美味しいと思ったことがなかったのですが、最近は280円であの味は奇跡だとも思うようになってきていました(ちょっと大袈裟)。
吉野家の牛肉は99%が米国からの輸入で、使用するバラの部分は安全とは言え、食を扱う企業としては、止む得ない対応をしているように思えます。
競合他社の松屋なか卯やすき家のゼンショー、焼肉では、牛角などを展開するレインズあみやき亭焼肉屋さかい安楽亭、ハンバーガーのマクドナルドモスバーガーの対応は限られたもので、逆に吉野家の対応の早さとその徹底ぶりには少しエールを送りたくなります。しかし、商品のほとんどが牛丼のみで、牛丼と心中してきた吉野家の運命は今後どうなるのでしょうか?
そもそもBSEが今まで米国で発見されていなかったのが不思議なくらいで、実際には発見されたがもみ消しにされていたという話があっても不思議はないでしょう。ファーストフードに使われるひき肉の47%にサルモネラ菌が大量に発見されても、裁判で「問題なし」とお墨付きももらってしまうような、米国の牛肉管理の実態を暴いたなんかも出ています。
実際に今回も、アメリカの対応もむちゃくちゃです。まず、BSEに感染した牛をカナダから輸入したものだと根拠のまだはっきりしていない情報を流しました。当然、カナダは怒ります。マスコミを使ったうそと詭弁を使った誘導作戦は、アメリカの常套手段でいつもあきれ返ります。
今度は、日本がアメリカに対して、BSEの全頭調査を求めたところ拒否され、逆に輸入制限を早期に解除しろと言う始末。
毎年3000万頭以上の牛が出荷される米国で、その家の1000分の1以下の2万5百頭の牛に対してのみにしか、BSE検査を行なっていなかったのだから、ずさんな検査体制だったと言ってもいいかもしれません。
牛肉は、経常赤字(貿易赤字)も5%を超えた今、米国が輸出できる商品のひとつです。とくにブッシュのお膝元のテキサスやカンザスなどが牛肉の主要な生産地です。なんらかの情報操作があっても不思議ではありません。
吉野家の牛丼が食べられなくなる身近な問題であるということ、米国のマスコミを使ったむちゃくちゃな対応、日本の米国への腰抜けの対応などなど・・・この問題はこの後も色々な情報が明らかになってくることでしょう。