ビジネス知識源:インフレの跫音が聞こえる
新1万円への交換を、旧紙幣の1万1000円等にすることです。単純です。現金以外の国民の金融資産1400兆円も額面で140兆円減ります。同時に国債や民間の金融負債も10%(=通貨切り下げ分)カットします。

吉田繁治氏の「ビジネス知識源」の最新号でも取り上げられているが、以前から2004年の夏以降に予定されている新札の発行と同時に預金封鎖が行なわれ、全ての現金資産に対して財産税が課せられるという噂がたえない。
しかも、吉田氏によると、新札の発行日を参議院選挙後にずらした日本銀行や財務省の決定がかなり意図的だとし、新札発行、預金封鎖、財産税課税が同時に実施される可能性が高まったと見ている。
これは通貨単位を切り下げる単なるデノミではない。例えば、財産税を10%と課するものとする。また、新札発行と同時に旧札を全く使用できないものとし、財産税分10%を引いた残りの90%が自分の持分となる。交換比率でいえば新10:旧9となる。すなわち、新札に切り替えられた瞬間、銀行に使えなくなった旧札を1万円もっていくと、新札で9000円しか戻ってこないことになる。ただ、逆の見方をすると、1万円借金があると、9千円に棒引きしてもらえるということになる。
この国で最も借金を抱えているのは、国であり、地方公共団体であり、特殊法人、第三セクターである。一方で、貯金をこつこつしてきた国民の金融資産は、1000兆円とも1400兆円ともいわれている。10%の財産税がかかることにより、国民金融資産は、100兆円から140兆円減り、財産税による国の収入は、実質100兆円から140兆円にのぼることになる。しかも、この10%の数字をすこしいじるだけで、国の債務も全部帳消しにすることも出来てしまう。多分、今の状況であれば、それも難なく実施されてしまうのであろう。
実は、この財産税、終戦直後の1946年2月17日に実施され、国民から財産を没収したことがあるが今とおかれている状況は全く違う。
財産税が実施されると、現金、銀行預金、郵便貯金、簡易保険、生命保険、国債は課税されるが、不動産、株式、杜債、外貨預金、外債は非課税だという話もある。そうすると、株式相場も活況を呈し、不動産価値もあがるともいわれている。が、果たして、そんな思い通りに行くのだろうか?
デノミの実施、預金封鎖の実施、財産税課税は、全て新札の発行のタイミングで行なわれる。しかし、その情報は政府から事前に漏れることはない。当たり前だ。資産がモノに消えたり、海外へ資産が逃避するため、国の実質的な収入が減ることになるからだ。
実施されるかどうかわからないが、国の動きは注視するべきだ。。構造改革なんぞ全く進まず、官の利権がどんどん膨らんでいる現在では、デノミしか手段が残っていない状況が近づいていることも確である。ただ、その後、経済が回復することはないだろう。元サヤだ。