いまさらって感じでもあるが、前回書くと言ってしまった手前、2週間前の週刊新潮と週刊現代の内容を少しだけ比較して書こうかと思う。2週間前に読んだときと、今読んだときと全く印象が違うので、あしからず。
さて、週刊新潮の「人質報道に隠された本当の話」内容だが、人質一人目の今井氏を「共産党一家が育てた劣化ウラン弾高校生」、そして「自称フリーライター」と呼ぶところからはじまる。「通称ムネオハウス」と同レベルだ。


今井氏の母親が共産党員の党籍を持ってることを突き止め、「自衛隊はイラクから撤退しろという家族の要求は共産党主張のそのものである」と、話しの論理的に「親が共産党だから自衛隊撤退を要求している」と結論づけている。
そして、人質二人目の高遠氏を「12歳で煙草、15歳で大麻を吸った薬物常習者」と呼ぶところから始める。そして、裕福な暮らしをしている家族のことを書く。結局、今回の人質事件では、日本のマスコミは人質の過去を洗いざらい調べまくって個人情報を書きまくった。過去を穿り返すのは、実は週刊新潮のお家芸でもある。
現在進行形の情報に関しては何もゲットできないので、この手の情報を集めて雑誌を作らなければならないのである意味かわいそうでもある。
三人目の郡山氏は、離婚の経験があるのだとさ。だから・・・何?って感じである。
そして、「官邸にまで達していた自作自演情報」と題して、警察庁関係者の話として、「拘束された3人は自衛隊派遣反対で意思統一されていた。映像を見る限り、被害者側が妙に落ちつき払っているし、声明文もイスラム歴ではなく、敵である西暦で書かれていたり・・・(中略)・・・拉致を偽装したのではないか、という可能性も捨てきれない、とされたのです。」と書いている。
すっごい!これって、人質事件直後の某巨大掲示板の情報そのままじゃないかぁ。何億円も国の税金を掛けた情報収集って、2ちゃんねるがソースだったの?
もしかして、板を読みながら思わずカキコミも・・・ってことは、政府関係者が2ちぇんねる上で「自作自演」してた可能性もありますね。
で、その後の記事はあってもなくてもどうでも良い内容。小泉が激怒したとか、福田と安部がどうだとか、共産党がどうだとか。仲間に対してだけお詫びをした異様な家族声明文そのものもやっぱり醜い。しかし、ここで出てくる評論家とか官邸記者とかのコメントが出ているが、どこからどこまでが自作自演なのかさっぱり。
それに対して週刊現代(井上和香のグラビア付)。こちらは、「いまだから書ける開放された人質家族への誹謗中傷」と、週刊新潮とは異なる立場を取っている。
各政府関係者の言葉がたくさん載っていて面白い。いくつかピックアップしよう。
福田氏「(アルジャジーラを通じて犯人グループに呼びかけるつもりがあるかと問われて)誰が出るの?それに応えるようなタマなの?日本政府がなんでそんなことしなきゃならないの?」
お父さんの時代には、人の命は地球より重かったはずですが、今はタマと同じレベルなんだそうだ。「自己責任」の次は「個人情報」という言葉を連呼している勘違いおっさんって感じ。
平沼氏「家族が未成年の子供を止めることが出来ないで、ああいう戦地に行かせてしまう。やっぱりどこかおかしい。」
あれ〜、小泉首相もどこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か分かる訳がないと言ってはず。政府が、一番情報収集にお金を掛けてるわけですから、情報の正確度もとっても高いはずでは?でも、政府中枢にいる人間がわかんないんだから、一般人に分かる訳がないっすよね。2チャンネルでイラクは戦闘地域かどうか調べますか?
冬柴氏「(人質家族を指して)もうあいつらには何も教えてやらない」
大丈夫。アルジャジーラさえ見ていればなんとかなりそう。しかし、共産党と公明党ってほんと仲が悪い。選挙のたびにお互いの誹謗中傷ビラを郵便ポストに入れるのは止めて欲しい。
他にも、お役所の人は、自ら公僕だということをすっかり忘れて、「どうせ共産の人間だろ」「事件が片付いたら、家族のことを徹底的に暴いてやる」「自業自得。殺されても仕方がない」「何様のつもり」と、言いたい放題。
週刊新潮は斜に構えて事件と何も関係がない過去のことと2チャンネル情報を、週刊現代は日本国政府の暴言をまとめて載せたって感じでした。