産業技術総合研究所のソフトウェア研究成果物を世の中に普及させるためのベンチャーで働き始めたという話を以前にしました。本日、このソフトウェア(研究そのものは残り2年あるので中間成果物という形)の無償配布を開始しました。
表向きは「製造業向けソフトウェア」と言っていますが、どちらかというとエクセルのマクロをもう少し簡単に使えるようにしたコンポーネント指向の開発ツールです。コンポーネント同士をP2P型ネットワーク上で通信するための稼働環境も含まれているので、このソフトを使って対戦型テトリスなんかを作ってくれる人がいたらとってもうれしいです。
詳細は、無償配布の申し込み手順をご覧ください。全くの無償(個人利用ももちろん可)なので、まずは使ってみて欲しいと言う気持ちでいっぱいです。そして、ソフトウェアに対する辛辣かつ建設的な意見をいただけるとなおうれしいです。
最近流行りの大学の研究室の技術シーズやIPAなんかから出てきた技術を、実際に世の中に出してビジネスを行うためには、超えなければならない山がいっぱいあります。まずは、「使ってもらわなければ始まらない」というの一つ目の山を登り始めたところです。
よろしくお願いします!

  1. (お) says:

    ソフトウェアの概要を説明したページはないのでしょうか。概要も分からずに研究会登録しなくてはならないというのはハードルが高く感じられます。
    さて私もIPAなどの成果としてソフトウェアを公開したことがあります(というか今も)。が、ダウンロードした人を追跡して成果に繋げたい一方で、実際にはそうはならず、対外的には単にダウンロード数が増えればそれが成果だと言わざるを得ない場合もままあって大変やり切れない思いをしたものです。MZプラットフォームの場合と違って単年+α(=補正予算のばら撒き?)だったせいもありますが、組んだ相手が大手で成果物をどうこうしようという意欲に欠けていた点や私自身アカデミアから出ようとしなかった点も問題だったと大いに反省しています。
    ともあれご成功をお祈りします。

  2. kio says:

    いつもコメントありがとうございます。
    >ソフトウェアの概要を説明したページ
    確かに概要分からず研究会登録するってのはハードル高いですね。製品概要は、産総研のホームページに掲載しています。
    ●産総研:http://unit.aist.go.jp/digital-mfg/set_j.html
    ダウンロード配布すべきという話もあったんですが、最終的にはこの方法に落ち着きました。理由は色々あるんですが、苦肉の策なんですよね。
    >ダウンロードした人を追跡して成果に繋げたい一方
    >ダウンロード数が増えればそれが成果
    よ〜くわかります。多分、それが一般的に「死の谷」と呼ばれてる部分なんだと思います。民間でさえも、研究と商品化の谷を乗り越えるのにとっても苦労しますから、大学やお国が関係するともっともっと谷が深いんだと思っています。
    官僚は、箱を作ってそれに対して予算をつければ成果なので、実際にどんなモノが出来て、どう役に立ったとかの視点がありません。気に入らなければ、足を引っ張ります。今回も「どんどん普及しろ!」の一方で、ケチをつけてくる部門はいっぱいあります。いわゆる縦割り行政の一端を垣間見ることが出来ます。
    うまく交渉しつつ、つかず離れず、少しずつ前進する予定です。上手くいけば、その後は同じ道を広くしていけばいいので、うちの会社がお国や大学関連の技術シーズを世の中に出す受け皿になればいいなとも思っています。