ある会社に行くと、毎日忙しそうにしている人たちがいます。その人たちは、責任感が強く、とにかく会社を良くしようとがんばって仕事をしています。
そんな人たちに、「なぜ、そんなに忙しそうにしているのですか?」と聞くと、「こんな問題があるからこれやって解決しない」とか、「あんな課題があるからなんとかしないと」と教えてくれます。続いて、「では、その問題は、本当にそれだけで解決できるのですか?」と聞くと、「いや、そうでもないんです。あれもこれもやらないとダメなんです。」と答えてます。
でも、それってなんか変だなぁとずっと思っていました。そうなんです。その課題の原因は何かを追求する前に答えを見つけようとしているんですね。普通は、問題には原因があるはずです。原因が何かを考えて、解決手段ばかり考えて実行しているので忙しくなるんです。原因を考えると解決手段をもう少し客観的に考えることも出来ますし、優先位もつけることも出来ます。
続いて、「それで、その仕事は本当にあなたの業務の目的に沿った仕事なのですか?」と聞くと、「そうです。」と答えるのですが、「では、業務の目的は何ですか?」と聞くと、見事に日々の業務内容を教えてくれます。そうじゃないだろうとは思うのですが・・・。ビジネスやっている上で目的なんて決まってると思うのですが、大きな会社になればなるほど、目的意識が希薄になってしまいます。
今日は、仕事を辞めることを決意した人と話をしました。作家もしくは絵描きになりたいそうです。そのために、あれもこれもやってると聞きました。でも、作家になるとしたら「誰かに読んでもらいたいですよね?誰に向けて書くのですか?」と聞くと、「いや、その前にコンテンツを書きためないと。」というのです。同じ状況です。きっと忙しくはなると思うのですが、それでは目的は達せられません。
すごく簡単な例を出すと、「社長になった人は、絶対社長になるという目標を設定していた人です。社長になりたいと思わない人は、絶対社長にはなれません。」社長になりたいと思っても社長になれない人は多いですが、少なくとも社長になりたいと思わなければ、社長にはなれないのです。
仕事を辞めるとき、転職をするとき、日々の仕事を行なうとき、何のために「仕事を辞める」とか「転職するのか」とか「この仕事をするのか」という目的を考え、ゴールを設定しておくことはとっても大切です。目的がないと、単に忙しくなるだけです。手段ばかり考えても、仕方がありません。手段は目的を達成するための手段に過ぎないのです。

  1. satoshi says:

     こんな状態の人たちを良く見ますよね。私は、そういう状態を「間合いのない状態」と呼んでいます。どの武術でもそうですが、相手に近づきすぎては上手に戦うことができません。クリンチ状態で腰の入らないパンチを出し合っているボクサーみたいなもんです。