フィリピンは救われるか
5月末、日本のマスコミは、フィリピン南部のミンダナオ島で旧日本軍の元兵士たちが終戦後も日本に帰らず生活し続けているという話で大騒ぎし続けたが、その件は結局のところ、不確実な情報に基づいた「ガセネタ」だったことが明らかになっている。
(中略)
産経新聞の記事を発端とする今回の元日本兵騒動は、小泉首相やその配下の官僚機構内の「日本の戦争は悪くなかったという気運を国内に作りたい」と考えている人々にとっては、プラスの影響を持つものとなっている。日本国民に、フィリピンで苦戦した自国の兵士たちについて思い起こさせることは「多くの兵士が苦労し、戦死した。その労をねぎらうために首相が靖国神社に参拝して何が悪い」という世論を喚起することに役立っている。

最近、訳のわからないニュースがマスメディアを通じて流され、ワイドショー化したニュース番組もタブロイド化した新聞も我先にその話題を取り上げる。その最たるものが、フィリピンのどこかの島で旧日本軍の元兵士たちが生存していたというガセニュース。一体なぜこのタイミングでこのようなガセネタが、産経新聞を発信源に報道されたのかを考える必要がある。上記、田中宇の考え方もそのひとつであるはずだ。
アメリカ発のあからさまな情報操作は、「フン」と鼻であしらう事が出来るのも、別の視点からの取材、全く異なる立場の考え方、もしくはより深い考察を持って発信される複数の多種多様なメディアが小さいながらも存在するという土壌がある訳で、日本は、右向け右と言われれば、見るからなぁ、ほんとやばいだろとつくづく感じている。特に、この手の政治絡みだと、大半が興味ないというしなぁ。