広大なショッピングモールを街の郊外に作ることで、地方都市の商店街より客足を奪った大手スーパー。その大手スーパーからも客足が遠のき始めている。
ジャスコなどの大手スーパーに行くと、その原因を肌で感じることが出来る。
燃料高騰や人件費高騰などを理由にあらゆる食材や生活用品が値上げされる中で、スーパーでは、価格据え置き、値下げなどによる需要喚起に躍起。例えば、容器に入っている量や数を減らしての価格据え置き、自社のPBを大量投入しての値下げ、生鮮食品に至ってはクオリティを下げての価格据え置き等。
だけど、これらを見て消費者はなんだか貧しい気持ちになり、ますますスーパーにまで足を運ばなくなるという、さらなる悪循環を呼び込んでいるような状況が生まれている気がしてならない。
ちなみに、先日行ったあるスーパーでは、どこかの発展途上国のスーパーに来ているような錯覚に陥ってしまうほどだった。派手な外観の建物、中に入ると掃除が行き届いたお店、商品はパッケージなどの包装により面目は保っている一方で、実際の中身はバッタもんみたいなアノ感覚。
小売りのプロから言わせると見た目が良くなければ消費者はなびかないという風な指摘があるかもしれない。だけど、消費者はもっともっと賢くなっているはず。例えば、薄っぺら見た目(形や大きさを整えたり/細切れ/過剰なラッピング)が与えている消費者の甘え部分は断って、ホンモノの中身の品質を見極められるような目や舌や手を養う良い機会だという発想もあっても良いかと思う。
スーパーへの客足が遠のいているのをマクロの消費減退のみを理由にしていると、日本も貧民国へ堕ちていくのかと心配もしてみたくなる。