食品添加物=有害物質という誤解

東京三菱が出しているかなりマイナーな雑誌「SQUET」11月号の巻頭インタビューが面白かったので紹介。
インタビューは、株式会社キミカの代表取締役社長に対して行なわれたもの。このキミカという会社、元々、わかめや昆布などのぬるぬる成分であるアルギン酸抽出技術をベースに、戦争時代に潤滑油工場としてスタートしている。戦後、原油の輸入が解禁されるとともに軍需用途もなくなり、アイスクリームの細かな泡を保持するための添加剤としてアルギン酸を利用する道を選ぶ。
その後、昭和28年の食品添加物指定制度発足により、アルギン酸が食品添加物として認定された。食品添加物は、国が食べ物として使っても良いもの、国が安全性を保証するための制度としてスタートしたにもかかわらず、昭和44年食品添加物として認定されていたチクロに発がん性の疑いがあるということで、チクロが日本で使用禁止となった。
この事件をきっかけに、食品添加物=有害物質というイメージが消費者に定着してしまったのだ。
以降、市販のアイスクリームメーカーもアルギン酸の使用を控えるようになる。しかし、キミカはあきらめない。ビール、飼料、医薬品、繊維、化粧品などへと応用していく。ちなみに、ビールに下面発酵と上面発酵とがあり、イギリス系の地ビールは上面発酵で泡が消えやすいため、その泡を保つため、このアルギン酸が使われているらしい。
アルギン酸は100%天然素材から作られている健康に良さそうなイメージがあるが、食品添加物と表示する必要があるため、日本では一般消費者にはなかなか受けいれられていない。しかし、面白いことに、健康食品としてアルギン酸をカプセル化するとかなり売れるらしい!
自分も生まれた頃から「食品添加物は、体に悪影響を与えるもの」だとの認識でいたが、思いっきり誤解していたことをこれで認識。日本食品添加物協会なんて存在も初めて知ることに。食品添加物を単にケミカルなものだとの認識は、これを読んで是非改めよう!


細かい話は追記で。
キミカは、チリに工場を持っている。日本同様、長い海岸線に目をつけてチリに注目したのだ。しかも、良質な海藻が採れ、なおかつ北部は陸の上が砂漠であるがため、すぐ乾燥する。アルギン酸生産には最適な地なのかもしれない。今後も、コンビニ弁当の麺同士がくっつかないようにするためにだとか、餃子同士がくっつかなくするようにだとか新しい用途がどんどん生まれているらしい。
キミカは、さらに蟹の甲羅から抽出するキトサンって成分も取り扱っている。キトサンも健康食品の分野で騒がれているが、もう少し実需な分野での製品開発を行う予定だとか。今後に期待。
ちょっと、キミカのホームページは格好わるいかな・・・。

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