青色LED訴訟、200億円支払い命令
世紀の発明といわれる「青色発光ダイオード(LED)」の特許権を譲り受けた会社が、発明者に支払うべき正当な対価をめぐって争われた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。三村量一裁判長はまず、発明の対価を604億円と算定。そのうえで、発明者の中村修二・米カリフォルニア大学教授(49)が発明対価の一部として勤務していた会社に請求していた200億円を全額認めて同社に支払いを命じた。

ほとんどいがみ合いに近い形の裁判となりましたが、この結果により、企業の雇用主も技術者に対してもう少し対価を払うようになるのではないでしょうか?技術者を正当にお金で報いる仕組みを提供しない限り、いわゆる電話一本で手っ取り早く稼げる商売か、一生税金食べさせてもらえる公務員へと、人々は向かう傾向が強くなります。
技術者は報酬が安くても、自分で好きなことをやらせてもらえるというモチベーションで満足することが出来ます。しかし、これからは自分の開発したものや作り出したものが、会社の収益にどれだけ貢献しているかを、常に把握する必要が出てくるはずです。
理系な人は口下手が多く、主張を文系人間に丸められてしまいがちですが、商売するための物を作り出すことが出来、なおかつきっちりと数字が把握できれいれば、何も文句は言われないはずです。
ちなみに、ソニーは今まで技術者が経営の舵をとってきましたが、今の社長は文系です。結果は見ての通りです。
さて、今回の中村氏側の主張は、東京永和法律事務所に掲載されています。読んでいて頭が痛くなりました。一方、日亜化学もコメントを出しています。こちらは明快ですが胡散臭くもあります。
世の中の給与体系をみると、この辺りの歪も理解できます。会社の組織に属するものは協調性、チームワークが必要となります。一方で、会社側は、個人能力をベースの給与体系を導入してきました。この二つは相反するものです。
例えば、能力を持った人間は、能力を持たない人間に対して、自分の能力の伝承を行なわないようになります。なぜなら、そのことによって自分への報酬の額が減る可能性があるからです。
チームをマネジメントするものはチーム単位で評価されるので、それを積み上げれば、結果としてまとまるという主張もあるかもしれませんが、そこには個人一人一人のモチベーションが必要となります。この辺りを踏まえて、世の中の給与体系は、実は能力ベースだけでなく、チームでの目標達成度による報酬も組み合わせた形のものが主流となりつつあるようです。
中村氏の200億円の使い道も気になります。竹田和平のような旦那道を貫き通すことできるかどうか・・・。楽しみです。