青春時代、アメリカにあこがれる人は多い。アメリカがいかに自由と正義に溢れた国かという情報を渇水のごとくメディアを通して伝えられるため、多くの若者が「いつかアメリカに留学したい!」「いつかアメリカに住んで、アメリカンドリームをかなえてみたい!」と思うようになる。
しかし、実際に、アメリカに住んでみると、そこで感じるアメリカの影の部分や、あまりにも横柄な態度、理想と現実のギャップにショックを受け、逆に極端な反米主義者になって帰ってくる人が多いのも事実だ。
かくいう自分も「環境を学ぶには最適な国:アメリカ」と「環境を破壊しつづける国:アメリカ」というギャップや、「グローバルな視野を養うためには最適な国:アメリカ」と「自分の国以外のことをまったく知らない田舎ものだらけの国:アメリカ」というギャップに思いっきり悩まされれクチだ。今となっては、アメリカの東と西で計3年半近く住みながら、ハワイを含むアメリカなんて2度行くかという程、アメリカが大嫌いだったりする。(その要因の一部には糞ブッシュ政権だというのもあるが・・・。)
普通に、マクドナルドでスマイルなんてありえないってことを感じるだけでも、大きなギャップだと思うが・・・。
実は、過去にアメリカに渡った著名な日本人も同じような気持ちの揺れを経験してきている。もちろん、幸運な人は、アメリカから帰国してもアメリカはすばらしい国だと思い続ける人もいるし、人の見方は十人十色である。
今回紹介する「アメリカが見つかりましたか? 戦前編」「アメリカが見つかりましたか? 戦後編」では、ジョン万次郎に始まり、福沢諭吉、津田梅子、内村鑑三、新渡戸稲造など戦前にアメリカに渡った人が感じたアメリカ、ミッキー安川、盛田昭夫、小田実、司馬遼太郎、村上春樹など戦後にアメリカに渡った人が感じたアメリカを本人達の書いた著書から抜粋して、阿川尚之氏(妹の阿川佐和子の方が多分有名人・・・)がまとめたものである。


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しかし、自分はこの手の誰かが書いた著書をまとめた本が大好きである。全部読まなくても読んだ気になれるってのが良い!例えば、同志社大学出身でもないのに新島襄の本なんて読みたくないけど、どんなことが書いてあるのか知ってるの損じゃない。
アメリカと行っても、表面的に伝わってくるだけのもの、旅行で観光地だけで感じる情報だけでは分からないことが多い。人のものの見方も多種多様で、住んでみないと分からないことも多い。
この本は、アメリカに住んだことがある人が読めばきっと共感できる部分がある気がする。