お役所はITソフトパワーを増強せよ!
久々にゴーログへのトラックバックです。タイトル変えてからは初めてかな。
日本企業や役所がITの導入はしていても、ITの活用は出来ていないというのは確かにその通りかもしれません。しかし、それが経営者の「ITさえ導入すれば会社がよくなる」という考えに起因しているかと言えば、それはどうも正しくないということに最近気がつきはじめています。
自分の中で話がきっちりまとまっていないのですが、多分、「ITの重要性を理解していない」のだと思います。(追記:という意味で、ITは単なるツールとはいえないと思ってます。どちらかというと重要な要素です。)
ITシステムのインフラやソフトウェアは、ほぼ欧米企業に占有されているといっていいでしょう。元々、日本で独自のものが開発されていたにも関わらず、知らないうちにマイクロソフト社のような外資系企業にすべて席巻されています。
これは、日本人技術者の力が足りなかったのではなく、多分ソフトウェアの重要性に多くの企業や日本の市場がそれほど注意を払ってこなかったのだからだと思っています。そして、日本のマーケットが完全に牛耳られてから、自分たちが思うように使えないソフトを、莫大なお金を払いながらなんとか擦り合わせ使うような現状になってしまったんだと思います。
ソフトウェアの重要性が理解されないから、ソフトウェアエンジニアの技術力も落ちていきます。例えば、今流行りのデジタル家電。デジタル家電は、機械屋さん、電気屋さん、そしてそれと同様ソフト屋さんの力がなければ、成し遂げる事が出来ない製品だと思います。しかし、ソフトだけがなぜか外注されています。同様に、企業システムを導入する際、ピラミッド構造化された下請けの下請けの外注さんが、実際の作業を行うケースが多くあります。これでは、実際に手を動かすソフトウェアエンジニアは、自分たちに見合った対価をもらえるはずがありません。よって、ソフトウェアエンジニアのモチベーションが保てる訳がありません。結果的に、継続的な学習に対する意欲も薄れ、全体的な技術力も下がってきているのだと思います。(ワンクリックでお金を稼げるトレーダーに憧れるって気持ちもわかります。)
だから、ソフトウェアに法外なサポート料金払って互換性のないバージョンアップに時間をかけて行うというおかしな事が起きたり、ベストプラクティスだといわれているソフトを導入すると、例えば、簡単給与パッケージで3日で終わっていた給与計算が、3週間かかったりというケースが出てきたりするのです。
悪循環です。
そして、厚生労働省が提出してきた今回の書類が紙ベースということですが、これは単なる嫌がらせだと思います。嫌がらせなので、堂々と木村さんには戦ってほしいとは思いますが・・・。
後は、どこと比較してという話はあまりしたくないですが、アメリカの役所が今の日本の役所のようにスムーズに事が運ぶかというととんでもないと思います。アメリカの役所では、ちょっとした書類を取得するのに1時間以上かかるということがざらにあります。システム化以前に、役所のサービスという考え事態も欠如しています。日本の役所で2分も待たずに、住民票が出てくるのは立派なIT活用のひとつだと素直にすごいと思っています。導入方法に問題があるという指摘があったりとか、そんなことあったりまえだと思われていますが、そうでもないという国の方が多いのです。
企業でも他の国のIT導入も進んでいるように見えますが、本当にそうなのでしょうか?某ソフトウェア会社のボスは、その昔、日本の某会社のシステムを「こんなシステムが本当に動いているのかぁ?」と見て驚いていました。アドバルーンを高くあげているか、そうでないか、見せ方の違いだと思います。アメリカの良い部分しか見えてないから、アメリカとの比較も多く出てくるのだと思います。日本でも経営力のあるといわれている企業は、ずっとIT活用の方法を考えています。そうでなければ、日本の競争力もどんどん失われていくはすです。
最後に、役人仕事の非効率さはどんどん批判すべきだと思ってます。特に、木村氏のような著名人にがんばってもらいたいです。竹中氏の選挙出馬にはおおいに落胆したので。