アジアカップの準々決勝はすさまじい戦いだった。日本代表は飛車角落ちとは言え、そんなに難しい相手じゃなかったはずだ。チームとしてのまとまりは相手の方だったし、うまささや精神力も中村、宮本、川口、福西除いて相手の方が上だった。しかし、地力が違うはずだから、勝つのは苦もなかったはずだ。
そんな中、PK戦にもつれ込んで1人目、2人目と日本がはずしたところでキャプテン宮本のPKを蹴るゴールゾーンを入れ替えるという抗議が勝負の分かれ目になったと言っても良いだろう。彼は英語が使えるので、あれだけ不利な場面を冷静に交渉できた。なんとなく、キャプテンを負かされた人だと出来なかったのだと思う。
宮本自体、W杯も森岡の控えながら森岡の怪我の後、全試合出場し任務を果たしたし、今回の日本代表でも最初からレギュラーだった訳ではない。しかし、彼のキャプテンシー、そして今回見せた交渉力というのは、うまさだけではチームスポーツを勝つことが出来ないということを改めて再認識させてくれた。
ちなみ、荻原健司がノルディック複合でランキングトップに立てたのも、英語で話すことにモノオジすることなかったからだとも言われている。スポーツでも勝つためには、その能力だけでなく、精神力、そして語学力も必要なんだと改めて感じた一場面であった。