今週の日経ビジネスに「ライブドアの虚像と実像」と題する批判記事が出た。正直、日経からやっとこの手の記事が出たという感じである。ITバブル全盛時に日経ビジネスが光通信に対して同様な記事を書いた後の有り様は知っての通りだ。今回この記事を書いた大豆生田崇志氏は「(ライブドアの事業)がバブル全盛時からあまり進歩していない手法ばかりが目立つのは残念ではならない」という理由でこの記事を書いている。
自分も目減りするeコマースの利益率で、楽天もその規模や収益とは無関係に高い株価が付いているため、有利に調達した資金を元でに企業買収をかけ企業規模を大きくしていると書いた。実は、楽天がやっていることは投資銀行業務そのものだし、光通信もライブドアも同じだし、プリヴェも同じだし、カーライルやスティールなどのハゲタカファンドも結局は同じことをしているだけなのだ。どこの事業領域に、どの程度リスクを取って、どうやってどのようなリターンを期待するかだけで、結局は全て資本の論理で動いていることになる。
事業で稼がず、株価をいかに高く保つかというところに重点をおいていると、必ず資本の論理でしっぺ返しをくらうはずだ。しかし、楽天やライブドアは、信じられないくらいそこをドライに切り抜けようとしている。残念ながらそのステージで踊っている投資家や証券会社も多いので、今週行なわれる楽天の200億強の公募増資に参加する人もいるのだろう。理想を言えば、ライブドアの株価形成はもっと冷静にされるべきだと思うし、今回の楽天の公募は失敗に終わるべきだと思う。


しかし、勝ち続ける自信があるのであれば、そこで踊り続けるのもありなんだと思う。何も生み出していないのに金だけ稼ぐという行為には納得いかないことも多いが、昨年の自分は市場からきっちりと生活費を稼ぐことが出来ていた訳で、全ては否定は出来ない。何かを生み出すことが足し算だとすると、リスクを取ることは掛け算なのかもと微妙なことを考えつつも、資本の論理に対する自分の結論は出ていない。