何度かお仕事を一緒にさせていただいたデザイナーさんから是非と言われて読んだ本が、デザインのデザイン
昨日(数十分前?)、日本の消費者の目が厳しいため、海外の小売り企業が日本へ進出するのは難しいと書いたが、実は、そんな日本の消費者が価値を判断するのが苦手な分野がある。
その一つが、サービス。日本で一律当たり前に提供されるべきサービスのクオリティは世界一だが、一方でサービスは無料で提供されるものだとどうしても考えてしまうギャップがあるため、サービスに対価を払って購入するという文化が成熟していない。だから、日本人消費者はサービスの価値を計るのは得意ではないはずだ。
もう一つが、デザイン。この本は、そんなデザインとは何かがなんとなくわかる本。

デザインのデザイン

特に、「もしも、デザインという、生活環境におけるものに対する合理的な見方が、せめて義務教育の初期に行われていれば、(日本人の)生活者の意識は変わっていたかもしれない。」という著者の考えは、学校での美術の成績がずっと「2」だった自分より世の中のデザインに対する意識が低いことを考えると、アートとは違うデザインという教育があればもっとフェアに評価されたのにぼやきが。
本に関して、正直言うと、デザインのデザインという割には章立てが支離滅裂で、とてもデザイン(!)されているとはいいがたいのはちょっと残念。書いてる時のマインドや時期が章単位で違うので当たり前だとは思うけど、読みモノって観点からはデザインしてねーじゃんとぽつり言いたくもなった(編集の問題?)。好きな章は、無印について書かれている第四章、日本(日本人)とデザインについて書かれている第五章と第六章。

  1. テントウムシデザイン says:

    確かに流れとして統一したものは感じにくいですね。だた、それぞれに独立した考察、いってみれば短編集の様にとらえるとそんなに悪くないかもしれません。 🙂
    第四章 無印良品の話はいいですね。田中一光からのバトンタッチのくだりが特に好きでした。

  2. kio says:

    ほんと良い本をご紹介していただいてありがとうございます。いつもと違った観点からの本を読むと楽しいものです。