第9回 日本が大会を去るにあたって(6月22日@ケルン)宇都宮徹壱の日々是連盟杯2005
だが厳しい見方をすれば、どんなに善戦しても、それでも日本のグループリーグ敗退という事実は変わらない。特に、今回のコンフェデを来年のワールドカップのシミュレーションと考えるなら、やはりグループリーグ3試合をトータルで評価する必要がある。

コンフェデレーションカップのブラジル戦。HDD録画をセットしておきながら、朝の3時に目が覚めてしまった。周りのマンションを見ると10〜15%位だろうか、部屋に電気が灯っているのが見えた。
さて、試合開始直後に今大会覚醒した感のある加地のゴールが決まったかに見えたがオフサイド。1点リードすれば、それなりに試合を楽しめるかなぁと思っていたら、中村のミスから、ロナウジーニョとロビーニョの二人にカウンターをくらう。相手のミスからの速攻を難なく決めてしまうブラジルの技術の正確さに改めて感心した。その後の試合展開は、テレビで放映された通りで、おもしろかった。
でも、「よくやった」的な雰囲気はどうしても解せない。結局は、決勝トーナメントに進出することが出来なかったのだ。韓国がワールドカップでイタリアなどを破って準決勝まで勝ち進めたのは、勝ちきれたからであってこそ。日本は、前回のコンフェデもフランスに善戦はしたものの結局は勝っていないし、いつも勝ちきれない感が付いてまわっている。
勝ち負けや決勝進出出来ないの間にある壁は、選手達が思っている以上にある気がしてならないことを改めて実感。特に、パスひとつの技術をを見ていると、世界とはとてもつもない位の技術の差を感じる。スピードで勝っているとしても、それが持続しないのでは、ちょっときつい。
それでも、コンフェデの収穫は結構あった。なんといっても加地。そして、大黒は生粋のストライカーであることもわかった。福西もかなり安定度を増してきた。一方で、川口は歳なのか、以前のキレを感じなくなったこと、中澤のいないディフェンスにアクセントがなかったこと、中田がいるといないでは大違いだけど、彼が自分の技術力を勘違いしてヒールなんかを多用したことなどは、今後の心配の種。また、今後必要とは思えない選手としては、中田浩、鈴木などとはっきりしたかな。